【コラム/ニュース】「オウム病」…命を守るために“神経質”と言われても:妊娠初期に鳥と同席を避けた私の話

先日、「オウム病の疑いで30代の妊婦が死亡した」というニュースを目にしました。
鳥を飼っていなかったにもかかわらず感染したという報道に、胸がざわついた方も多いのではないでしょうか。
鳥の糞や羽に含まれる菌が空気中に舞い、それを吸い込むことで感染するこの病気。長崎県では初の死亡例とされ、改めてそのリスクが注目されています。

実は私自身も、妊娠初期にこの病気の存在を知り、「もしかしたら…!」と感じたことがありました。

少し前のことですが、年末年始、親戚が集まる場に参加したときのことです。
私はそのとき妊娠初期で、持病の喘息もある状態でした。すると、ある親戚が自宅で飼っている鳥をかごに入れて連れてきたのです。冬の寒い時期なので、家に置いてこられなかったのは理解できます。

ですが私は以前、別のニュースで「オウム病」という感染症の存在を知っていました。鳥の糞や羽の粉末などが空気中に舞い、それを吸い込むことで感染する人獣共通感染症です。特に妊婦は重症化のリスクが高く、国内でも妊婦さんが亡くなった例があると聞いていました。

そこで、申し訳ないとは思いつつも、その場で鳥を別棟に移してもらえないかお願いしました。連れてきた方は独身で、この病気のことはご存じなかったようです。私一人では言い出しにくかったのですが、私の母が「命に関わる病気だし、妊娠初期は特に気をつけないといけないよね」と加勢してくれたことで、スムーズに話が通り、鳥を移してもらえることになりました。

今振り返っても、あのとき勇気を出して本当に良かったと思っています。加勢してくれた母にも感謝しています。あの場で「言いづらいから」「気にしすぎかもしれないから」と黙っていたら、もしものことが起きたとき、自分を責めずにはいられなかったと思います。

また、あの場で鳥を移すことに同意してくださった親戚の方にも感謝しています。知らなかった病気について否定せず、理解を示してくれたのは、本当にありがたいことでした。

だからこそ、オウム病の存在をもっと多くの人に知ってほしいと思います。特に妊娠中の方や、その周囲の方はぜひ一度調べてみてください。そして、もし妊婦さんが「鳥を離してもらえませんか」とお願いしたときには、「神経質だな」なんて思わず、「そうだよね、大事な命を守るためだもんね」と受け止めてあげてほしいです。

「昔はここまで潔癖じゃなかった」「大げさだ」などと無神経に言うのは、誰かを追い詰めることになります。
今は昔と違い、感染症についての情報もリスクもはるかに明らかになってきています。知っているからこそ、気をつけられる。これは“慎重すぎる”ことではなく、“命を守る行動”です。




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