【対立する視点シリーズ③】総括:制度にするには副作用が大きすぎる

私個人としては反対寄りの立場ですが、ここではより客観的にまとめてみます。

たしかに一夫多妻制の導入には、合理性や自由の追求という面があります。
努力が報われるべき、という主張も理解できます。

しかし、現実の社会制度として導入した場合に、

・弱者男性の救済にはほとんどつながらない

・女性の選択肢が事実上制限される可能性がある

・子どものケアや社会的分断といった副作用が大きい

といった構造的な問題が生じるおそれがあります。

また、「配偶者を持てない人が多数出る」問題の根本は、婚姻制度のあり方だけでなく、

・経済の停滞

・社会的孤立

・育児・教育のコストと支援不足
など多方面にあることを無視することはできません。

一夫多妻制が“強者のための制度”に終わらない保証はありません。
むしろ、家族の多様性を認める選択肢(事実婚、共同親権、同性パートナーシップなど)を拡充するほうが、現実的な選択肢の広がりに寄与すると考えます。




参考文献・資料

トッド, エマニュエル.『家族システムの起源』藤原書店, 2022年

Goody, Jack. The Development of the Family and Marriage in Europe. Cambridge University Press, 1983

内閣府『男女共同参画白書』(平成25年度)

UNESCO『Gender Equality and Culture』2014年レポート

厚生労働省「出生動向基本調査(夫婦調査)2021年版」



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