【①控えるべき、という立場から考える】
障害のある子どもの育児には、特別支援や療育、頻繁な病院通い、行政手続きなど、非常に手間と時間がかかります。24時間体制の見守りが必要になるケースもあり、親自身が疲弊しやすい環境です。
こうした状況の中で次の子どもを迎えると、どうしても家庭の負荷が増え、兄弟姉妹にケアの役割が回ってくることがあります。
ある高校生のきょうだい児は、こう語ります。
「弟の送迎やパニック時の対応で、自分の予定は後回し。進路選びも“家から通える範囲”が前提でした。」
このように、意図せず「ヤングケアラー」になってしまうケースは少なくありません。厚労省の調査(2020年度)では、中学生の20人に1人が何らかのケアを日常的に担っているとされ、その一部に障害児家庭のきょうだいが含まれます。
「家族だから助け合うのは当然」という空気の中で、ケアが自然と子どもに降りかかってしまう──。それが続けば、自分の人生を自由に選ぶ機会そのものが奪われかねません。
次の子どもを迎えるべきかどうかを考えるとき、親の希望だけでなく、「今いる子がこれから何を背負うことになるのか」を想像し、慎重に判断すべきだという立場です。
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【対立する視点シリーズ①】
「障害のある子どもがいる家庭で、次の子どもを迎えるのは控えるべきか?」
