近年、SNSや論壇などで「能力や経済力のある人だけが子どもを持つべきではないか」とする意見が見られるようになりました。極端に聞こえるかもしれませんが、そうした主張の背景には現代社会のリアルな課題があります。
たとえば、子どもの貧困が深刻化しているという統計があります。生まれた家庭の経済力や教育水準が、そのまま子どもの学力や進路、将来の年収にまで影響するという「貧困の再生産」の問題は、長年指摘されています。
「育てる能力がないのに子どもを持つのは無責任」という考え方には、「子どもが不利な環境で育つことを防ぎたい」という意図もあります。また、限られた社会保障予算の中で「本当に支援が必要な層」に絞らざるを得ないという政策的ジレンマも背景にあります。
こうした視点を持つ人々は、「子どもを持つ自由」は否定せずとも、「育てきれないことのリスク」は社会全体で考えるべきと主張しています。
この立場は冷たく感じられるかもしれませんが、子どもにとっての最善の利益を考えたとき、あえて耳を傾けるべき論点も含まれています。
#少子化対策 #貧困の連鎖 #教育格差 #社会保障の持続性 #家庭の自己責任論
【対立する視点シリーズ①】
「優秀な人だけが子どもを持つべき」論に耳を傾ける
