【ニュース/コラム】結婚式場でノロウイルス感染、数日前の宴席で乳児が便を漏らし消毒不十分───「子どもを出席させた親が悪い」は本当に正しいのか?

札幌市の結婚式場で起きたノロウイルスの集団感染。報道によると、数日前に行われた別の宴席で乳児が便を漏らし、その後の不十分な消毒が感染拡大につながった可能性があるとのこと。

このニュースに対して、SNS上では「体調不良の子どもを連れてきた親が悪い」「子どもを連れてくるな」といった声も散見されます。しかし、私はこの意見には慎重であるべきだと思います。



■多くの親は体調不良の兆候があれば、出席を見合わせる

大前提として、体調不良のサインがあらかじめ分かっていれば、多くの親は迷わず欠席を選びます。
それは、「子どもの体調より大事なものはない」と知っているからです。さらに、体調の悪い子どもを連れ回すこと自体、親にとっても非常に大きな負担になりますし、何より式場や新郎新婦に迷惑をかけたくないという配慮も働くでしょう。



■急な体調不良は子育ての「あるある」

それでも子どもは、突然体調を崩すことがあります。数分前まで元気にしていたのに、急にぐったりしてきたり、下痢をしたり…。
今回のケースも、おそらくそういった「突発的な体調変化」が起きた可能性の方が高いと私は見ています。



■親を責めるコメントから透けて見える「育児未経験バイアス」

こういった背景を無視して「親が悪い」と断定的に語る意見を見ると、どうしても「子育てを主に担ったことのない人たちの声ではないか」と思ってしまいます。
育児は予測不可能で、完璧にリスクを排除することは不可能です。だからこそ、責任を一方的に個人に押しつけるのではなく、制度や衛生管理の側から対策することが大切です。




■求められるのは「責任探し」より「今後どうするか」

感染症対策は、予防・初期対応・周知・知識の共有のすべてが必要です。
今回の問題点は、「ノロウイルスに対してエタノールでは効果がない」という基本的な知識が共有されていなかったことにあります。個人攻撃よりも、社会としてどう再発を防ぐかを考えるほうが建設的ではないでしょうか。



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