【コラム】見た目はその人の領域。妊娠中の妻に「太った」と言う夫への違和感

先日、Yahoo!ニュースに掲載された記事（Hint-Pot）を読み、大きな衝撃と怒りを覚えました。
タイトルは「妊娠中に夫が『パートナーが大きくなっていくのきつい』　言ってはいけない言葉に妻はショック、取った行動に喝采」というものです。
出典：Yahoo!ニュース（Hint-Pot）2025年6月

記事の中では、ともにアラサーの夫婦において、妊娠中の妻に対して、夫が容姿の変化を繰り返し指摘し、妻が大きなショックを受けたという内容が紹介されています。
妻は冷静にその気持ちを夫に伝えたことで、読者から「よく言ってくれた」と称賛されていましたが、それ以前に、なぜそのような言葉がそもそも口から出てくるのか？という疑問が拭えませんでした。

人の見た目というのは、その人自身の身体的な領域であり、他人が軽々しく口に出したり、評価を下したりしてよいものではありません。それは親でもパートナーでも変わりません。

特に妊娠中の女性の体は、自分ひとりのためではなく、これから生まれてくる命を育むために日々変化しています。
それは一時的なものではなく、命がけの営みの過程です。
その変化に対して「きつい」「太った」などと繰り返し言い続けることは、パートナーに対する思いやりのなさ、無神経さの極みを超えた冒涜だと思います。

仮に逆の立場で考えてみてください。
もし将来、夫が年齢とともに髪が薄くなっていったとき、妻が何度も何度もそれを口に出してきたら、どんな気持ちになるのでしょうか。
「外見をいじられ続ける」というのは、その人の存在価値まで傷つける行為になり得ます。

私はこのニュースを読んで、こう強く思いました。
そもそも、そんなことは最初から言うべきではありません。「傷ついたと言われたから反省した」ではなく、最初から「言うな」です。

妊娠中の女性を支えるべきパートナーが、その心と体を追い詰めるようなことをして何になるのでしょうか。そんな態度で、本当に親として機能していけるでしょうか？
発想が幼すぎますし、精神年齢がアラサーとは思えません。
奥さんが心を病んでしまえば、お腹の赤ちゃんにも悪影響が及ぶということを、どうか忘れないでいてほしいです。

見た目のことを口にする前に、それを言われた人の心にどんな波紋が広がるのか、ぜひ一度立ち止まって考えてみてください。


—

出典：
Yahoo!ニュース／Hint-Pot「妊娠中に夫が『パートナーが大きくなっていくのきつい』」

—

#妊娠中の言葉がけ #モラハラ撲滅 #夫婦関係 #妊娠とパートナーシップ #見た目の話は慎重に #命を育む身体への敬意