【コラム】「共働きでも、母だけが寝られない」──夜中の“挟み撃ち育児”と、止まらない社会の要求

共働きなのに、母だけが寝られない。これって、おかしくない?

うちは共働き家庭です。でも、「母親が全部やってる共働き」ではありません。
夫はむしろ、昼間の家事も育児も私以上にこなしてくれます。
洗濯、掃除、上の子の送迎、下の子の抱っこ。誰かが「理想の夫像」を語るとき、かなり理想に近い人だと思います。

それでも、なぜか「夜だけは、母親だけが眠れない」日々が続いています。




■夜中の“挟み撃ち”

夜中、気がつくと、子どもが私の腕にぎゅっとくっついて寝ています。
もう一人は背後から私の体にくっついています。
両側から密着されて、私は身動きが取れず、寝返りも打てず、背中の痛みで目が覚めます。

その横で、夫はスヤスヤと眠っています。

もちろん、夫を責めたいわけではないんです。
問題はそこではない。




■問題は、「母親に子どもが寄ってくること」そのものではなくて

子どもが母親に寄ってくるのは、誰も悪くありません。
それは授乳、夜泣き対応、肌のぬくもり、声のトーン、におい。
生まれたときからずっと、母親が“安心の基地”になってきた結果です。

だからこそ、「子どもがくっついてくるのは愛情の証だよね」と言われれば、たしかにその通り。
でも、“寄ってこられている側”は、ろくに眠れていないんです。

一晩中動けず、眠りは浅く、起きる頃には体がバキバキ。
母親が静かに疲弊していくこの現実を、「でも幸せでしょ?」と片づける社会に、私はモヤモヤしています。




■眠れていない母親に、「もっと頑張れ」と言う社会

そしてもっとおかしいのは、その母親に対して社会が容赦なく「キャリアアップを」「スキルアップを」「自己実現を」などと要求してくること。

夜も眠れず、自分の体すら休まらない母親に、
「ちゃんと成長してる?」「自己肯定感はどう?」なんて、いったい何を見て言ってるのか。

もちろん、自分の人生を前に進めたい母親もいる。
でも、それ以前に、ただ“寝たい”母親もいるんです。
ちゃんと眠れたら、きっとまた何か始められる。けれど、今は無理なだけ。

眠れていない人間に“もっと”を求める社会のままでは、
どんな理想の共働き夫婦であっても、母親ばかりが消耗していく現実は変わりません。




■声をあげたい。父親を責めるためではなく、母親の夜を知ってほしいから

この話をすると、「それは夫が育児をもっとすればいいだけでしょ」という極端な反応も出てきます。
でも、それは本質じゃない。

私の夫はちゃんとやってくれている。
それでも、子どもはなぜか“母親にだけ”寄ってくる。
それは愛情であり、安心であり、信頼の証だとわかっているけれど、それでもつらいときがある。

この矛盾を、声に出せる社会であってほしい。



■さいごに

母親が夜まともに眠れていないこと。
それは決して「甘え」じゃないし、「贅沢な悩み」でもありません。

夜も休めない母親たちがいる。
昼間どれだけ夫婦で分担しても、夜だけは、まだ「母親が引き受けすぎている」現実がある。

そのことに、そろそろ光を当ててほしい。
誰も悪者にせず、ただ、「お母さんも眠れてないよね」って、言ってほしい。

そして願わくば、その負担に気付き、対策を講じる社会であってほしいです。

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