「優秀な人だけが子どもを持つべき」「すべての人に子どもを持つ権利がある」──このように見解が二極化している問題は、実は単純な対立ではありません。
両者の主張に共通しているのは、「子どもにとってよい育ちを保障したい」という想いです。違いがあるのは、「それをどう実現するか」のアプローチに過ぎません。
現実的には、家庭の経済力や教育水準が子どもに与える影響は無視できません。だからこそ、「どんな家庭でも、子どもを育てやすい社会をつくる」ことが求められています。これは、選別を強めるのではなく、格差を埋める社会的支援によってこそ達成されるべき課題です。
支援策が充実していけば、「能力がないから産まないでほしい」といった声は少なくなり、すべての親子にとって安心できる環境が整います。そして、子どもがどのような家庭に生まれても、夢や進路を諦めずにすむ社会が理想です。
「誰もが子どもを持てる自由」と「子どもが育つ環境への責任」は、対立するものではなく、両立すべき課題です。これからの社会に求められるのは、そのバランスの取り方を真剣に考えることではないでしょうか。
#子どもの権利 #支援と自由の両立 #少子化の未来 #育児と社会構造 #貧困の再生産を防ぐために
【対立する視点シリーズ③】
「選別」か「支援」か──両立への道を探る
