一方で、「誰にでも子どもを持つ権利がある」「出産や育児は特権であってはならない」という意見も根強くあります。
そもそも子どもを持つかどうかは個人の自由に関わる極めてプライベートな選択であり、そこに「能力」や「収入」で線引きをすることは、人権侵害にあたる可能性すらあります。障害のある人や生活保護を受けている人にも、親になる権利があるというのが、この立場の基本的な考え方です。
また、育てにくさの多くは親個人の能力の問題ではなく、社会的な孤立や支援の乏しさが原因となっています。昔のように地域や親族のつながりの中で子育てが支えられていた時代とは違い、今は「育児が完全に個人化」されてしまっているため、親の負担が過剰になりがちです。
そのため、子育てにおいて必要なのは「選別」ではなく「支援」です。教育費、保育サービス、相談機関、地域コミュニティの整備など、社会全体が親子を支える仕組みがあってこそ、すべての子どもが健やかに育つことができます。
「誰が親になっても大丈夫な社会」を目指すことが、長期的には社会全体の安定と活力にもつながると考えられています。
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【対立する視点シリーズ②】
「誰もが子どもを持てる社会」の実現をめざして
