これまでの2回のコラムでは、未婚者支援と既婚者(子育て中の家庭)支援という二つの対立する視点をご紹介しました。
あえて優先順位をつけるならば、短期的な少子化対策としては「すでに子どもがいる人がもう一人産めるようにする支援」に重きを置くべきだと考えます。
これは、対象層が明確で、経済的支援によって多くの課題を直接的に解決しやすいからです。
ただし、これは未婚者支援を軽視するという意味ではありません。
中長期的には、未婚者を含めた若年層が結婚や出産に前向きになれるよう、安定した雇用環境や住宅支援、労働時間の適正化など、社会全体の基盤づくりが不可欠です。
支援は両者を分断して考えるのではなく、人生の連続した過程として捉えることが大切です。
「独身→結婚→出産→育児→次の子ども」とつながる支援構造を戦略的に構築しなければ、少子化問題の根本的な解決は難しいでしょう。
最後に、少子化対策における本当の優先順位は、「最も効果的で現実的な支援にリソースを集中しながらも、未来の社会を見据えた基盤づくりを同時に進めること」であるといえます。
少子化問題は単なる出生数の増減だけでなく、「誰もが安心して人生設計を選択できる社会」を実現することこそが、最終的な目標です。
この視点を忘れずに、対策を進めていくことが求められます。
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【対立する視点シリーズ③】
少子化対策における優先順位と未来の支援構造について
