【対立する視点シリーズ②】
少子化対策、優先すべきは「すでに子どもがいる人」か?

一方で、「すでに子どもがいる人が、もう一人産めるようにする支援を優先すべきだ」という立場もあります。

多くの調査で、多くの親が「2人以上の子どもが欲しい」と答えていますが、実際には一人っ子家庭が増加している現状があります。
その理由の大きな部分は、育児に伴う負担が想像以上に大きいという現実です。

子育てには体力的・精神的な負担がつきものですが、加えて経済的な負担も非常に重くのしかかります。
例えば、出産費用の負担は決して軽くなく、無痛分娩や産後ケアへのニーズは高まっていますが、それらを自己負担でまかなうのは容易ではありません。

また、育児と仕事の両立も大きな壁です。
時短勤務などの制度を利用すると収入が減り、家計を圧迫します。
さらに、保育園の入園競争も厳しく、預けられないとフルタイムでの復職が難しいという現実があります。

これらの金銭的・環境的な問題が積み重なることで、「もう一人産みたいけど、現実的には難しい」という状況が生まれています。
実際に、子どもを持っている層の多くが経済的な事情を理由に産み控えをしているというアンケート結果も出ています。

こうした背景から、既に子どもがいる層への金銭面や制度面での支援を手厚くすることは、比較的効果が期待しやすいと考えられます。
具体的には、出産や育児にかかる費用の補助、時短勤務の収入補填、保育サービスの充実などが挙げられます。

これらの支援は対象が明確で、政策の効果も比較的早期に見えやすいという特徴があります。
対して、独身層への支援は理由の多様性により「効く施策」が限定されるため、費用対効果が見えにくい場合が多いのです。

このように、既に子どもがいる層の支援を優先することは、短期的に出生数を増やしやすい有効な戦略といえます。

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