【コラム】子どもを「ちゃんと見る父親」は、なぜ少ないのか?


最近、我が家の父親(夫)が子ども2人を連れて出かけてくれました(私は赤ちゃんとお留守番)。もちろん無事に帰宅し、道中の様子も丁寧に教えてくれました。着替えやおむつ、けがの注意、食事やトイレなど、私が一緒にいるときと同じように子どもたちのお世話が行き届いていました。

こうしたことを「当たり前」と思う人もいるかもしれません。しかし、世の中の声を聞いていると、子どもを連れて行っても「見ていない父親」が一定数いるのが現実です。特にアウトドアやレジャーでは顕著で、釣りやキャンプで父親が自分の趣味に夢中になり、子どもが事故に遭うというニュースも後を絶ちません。

では、なぜ父親は子どもを「ちゃんと見る」ことが難しいのでしょうか。

■育児の主体になりにくい文化的背景

多くの父親は、自身が子どもの頃から「育児=母親の役割」とされる家庭環境で育ってきました。そのため、自分が父親になったとき、自然と「手伝う」立場になりがちです。「主体的に育児を担う」経験が乏しいと、いざというときに行動の優先順位を誤ることがあります。

また、「子どもを連れていく」ことが目的になってしまい、「安全に配慮する」「子どもを観察し、必要があれば手を差し伸べる」という意識が薄れるケースも見受けられます。


■父親も育児を通じて変わっていける

実は、脳科学の研究でも、育児に関わる父親の脳は、母親と同じように「共感」や「危機察知」に関わる部分が活性化することが分かっています。つまり、関われば関わるほど、父親も「育児脳」になるのです。

育児に不慣れな父親がいるのは、脳のせいでも性別のせいでもなく、単に機会がなかったり、周囲の期待や文化的背景に押されているだけのことも多いのです。

■最後に

育児をする父親が特別扱いされる時代は、そろそろ終わりにしたいところです。「すごいね」と言われる前に、「それが普通」であってほしい。でも、今なお「普通ではない」からこそ、日々しっかりと育児をしている父親の存在には敬意を払いたいと思います。

父親が育児に自然に関わる社会になるために、私たち一人ひとりが「どう関わるか」を見つめ直すことが、次の世代の家族像を変えていく鍵になるのかもしれません。

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