(【対立する視点シリーズ①】
神谷代表「高齢女性は子どもを産めない」発言をどう考えるか(1)擁護の立場から見る

◆ニュースの概要と社会的な波紋

2025年7月、参政党の神谷宗幣代表が参院選の公示第一声で、「高齢の女性は子どもを産めない」と発言しました。この言葉はネット上で大きな波紋を呼び、「女性蔑視だ」「事実を歪めていないか」といった批判が相次ぎました。

ただ、この発言には、事実に基づいた問題提起であるとの擁護意見も一定数あります。ここではその擁護の立場から考えてみたいと思います。




◆医学的事実としての「適齢期」

まず、「高齢になると妊娠・出産が難しくなる」というのは医学的事実です。女性の妊孕性(妊娠する力)は30代後半から顕著に低下し、40代では不妊や流産のリスクも高まります(※日本産科婦人科学会等の統計より)。

つまり、神谷氏の発言は誤りというより、「耳に痛くても現実に向き合うべきだ」という主張だと捉えることもできます。




◆「産めるうちに産む」ことを後押しする社会づくりの提案

神谷氏が本当に言いたかったのは、「女性が適齢期のうちに出産できる社会構造に変えたい」ということだったのかもしれません。

今の日本社会では、まずは仕事で結果を出して、ようやく「今だけすみません、産ませてください」とお願いしなければ出産できないような空気があります。その間に年齢が上がり、「産みたくても産めない」という状況になる人も少なくありません。

そうした社会の仕組みを変え、「早く産む」という選択肢を現実的にできるようにすべきだという主張は、一理あると言えるでしょう。




◆問題提起としてのインパクトを狙った?

また、選挙という場面では“注目されること”も重要です。あえて強い言葉を使って話題性を高め、少子化という重要課題に世間の関心を向けさせた——そういった戦略的意図もあるとすれば、政治的には成功したともいえます。




◆私見:正論に含まれるメッセージをどう伝えるかが問われる

私は、「妊娠出産に適齢期がある」という現実を元に、適齢期のうちに安心して産める社会をつくるべきという方向性には賛成です。

ですが、強すぎる言葉は、当事者にとっては“突き放された”ように感じられてしまいます。
とくに、高齢で妊娠出産にチャレンジしている女性たちの存在を無視するような言い方は避けるべきだったと感じます。




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◆参考文献

日本産科婦人科学会「妊娠と年齢について」

厚生労働省『出生動向基本調査』

NHK解説委員室「少子化の背景と社会構造」

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