【コラム】共働き家庭で「子どもの前で夫婦喧嘩しない」は無理ゲーでは?

「子どもの前で夫婦喧嘩はしないほうがいい」とよく言われます。
でも正直なところこれは、共働き家庭が増えている今、現実を見ていない理想論に感じることがありませんか?

私たち夫婦もフルタイム共働きで、子どもがいます。
朝は登園・通勤の準備でバタバタ、夜は夕食づくり・お風呂・寝かしつけで一瞬も座れない。
ようやく子どもが寝たころには、もうヘトヘト。
そんな中で夫婦間に小さなすれ違いが起きたら、我慢する余裕なんてどこにもありません。



■ 忙しさが、感情の爆発を呼ぶ

育児も家事も仕事も、「手を抜けないこと」が山積みです。
それを夫婦どちらも担っていると、ちょっとした言い方や態度に敏感になってしまう。
しかも、疲れていると冷静な話し合いができず、つい感情的に言い返してしまう。

結果として、「子どもが見ている前での口喧嘩」が起きてしまい、自己嫌悪になる――
このサイクルに陥っているご家庭、実はとても多いのではないでしょうか。




■ 「子どもの前で喧嘩しない」ができないのは、あなたのせいではない

「親として、子どもの前で喧嘩するなんてダメだよね」
と、自分たちを責めてしまうこともあると思います。

けれど、忘れてはいけないのは、これは社会構造の問題でもあるということです。

・経済的に共働きでないと生活が成り立たない

・祖父母など頼れる人が近くにいない

・家事・育児の外注も高額で難しい

・職場では配慮されにくい働き方


このような状況下では、夫婦の余裕や家庭内のゆとりが極端に少なくなるのです。
喧嘩が起きるのは、個人の努力や性格の問題ではなく、物理的・精神的なキャパを超えているからです。




■ それでも、子どもへの影響はゼロじゃないからこそ

とはいえ、やはり子どもの前での夫婦喧嘩は、

・不安感

・自分のせいかも?という罪悪感

・対人関係の不信感
などを生む可能性があります。


だからこそ、「喧嘩をゼロにする」よりも、うまく対処し、回復する方法を意識することが大切です。



■ 現実的にできる、夫婦喧嘩との向き合い方

以下は、我が家でも少しずつ取り入れている「喧嘩と付き合う方法」です。

▷ 喧嘩のルールを決める

子どもの前では声を荒げない

相手の話をさえぎらない

感情が高ぶったら、時間をおいて話す

子供たちに「迷惑かけてごめんね、でもあなたたちが悪いわけじゃない、パパもママも別の人間だから意見が食い違うこともあるけど、お互い分かり合って未来につなげるために話してるんだよ」と話す


▷ 喧嘩は「即解決」しなくてもいい

感情が落ち着いてからLINEで整理して送る

メモして、週末に話す


▷ 「夫婦会議タイム」を作る

週に15分だけでも「今週のしんどかったこと・よかったこと」を話す時間を確保


▷ 味方意識を回復させる工夫

子どもが寝たあとに一緒にお茶を飲む

「ありがとう」「お疲れさま」だけでも伝える



■ 家庭の問題は、実は社会の問題

共働きを推進しながらも、夫婦がちゃんと話す時間も取れず、
家事育児の負担は個人任せ。
そんな社会の中で、「喧嘩はするな」というのはあまりにも酷です。

家庭内の摩擦は、あなたが悪いのではありません。
むしろ、声を上げることが未来の家庭政策を動かすきっかけになるかもしれません。




■ おわりに

子育てと仕事に追われながらも、なんとか家庭を守ろうと頑張っている全ての人へ。
あなたは、ちゃんとやっています。
夫婦で衝突することも、ぶつかりながら関係を築いていく過程です。

必要なのは完璧さではなく、「壊さないための工夫」と「一緒に乗り越える姿勢」なのだと思います。




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📚 参考資料・文献(一般向け)

ベネッセ教育情報サイト『子どもに悪影響!?夫婦喧嘩の子どもへの影響と対処法』

厚生労働省『共働き家庭の現状と課題』(労働力調査、2019年〜)

NPO法人ファザーリング・ジャパン「夫婦のコミュニケーションと子育て」講座資料

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