子どもが1歳を迎えるタイミングで、育児休業給付金の支給が終了します。これは多くの家庭にとって、保育園への入所と職場復帰を迫られる大きな節目です。
ただし、保育園に「入れなかった場合」に限って、育休と給付金の延長が認められます。
言い換えれば、「まだしんどくて復帰できません」では、制度上通らないのです。
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■「育休延長も許容します」にチェックを入れると、落とされる?
私は今、子どもを預けるための保育園を探しています。第一希望の園は人気園で、すでに3人待機がいるとのこと。正直、復帰に不安がある私にとっては「入れないほうがありがたい」ぐらいなのですが…。
でも役所で言われたのが、
「申込書の“育休延長も許容する”にチェックを入れると、優先順位が下がります」
ということ。つまり、「入りたい気持ちが弱い」と判断され、入所の可能性が下がってしまうのです。
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■給付金をもらい続けるには「本気で申し込んだ」という証明が必要
制度上、育休延長と給付金継続の条件は「保育園に申し込んだが、入れなかったこと」。
そのため、育休延長をしたいなら「絶対入れたい」と装って申し込む必要があるというのが現実です。
本当は復帰が不安でも、それを表に出せば選考で不利になる。
でも「入りたかったけど落ちた」と証明できなければ、給付金が止まってしまう。
この制度、矛盾していませんか?
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■育児のリアルと制度のギャップ
1歳になっても、夜泣きが続く子もいれば、親が体調を崩していることだってあります。
保育園に入れたとしても、慣らし保育はすぐには終わらず、職場復帰の調整が必要です。
それでも「1歳=もう預けて当然」と社会からプレッシャーをかけられる。
そして、「入りたくない人には保育園は回さない。給付金も出さない」という空気がある。
育児も働くことも、それぞれの家庭に応じてバランスを取りたい。
でも、勝手に期限を区切られ、その両方を一方的に強いられる制度に、今の日本社会の限界を感じています。
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■参考リンク
厚生労働省|育児休業給付制度
厚労省「保育所等に入所できない場合の証明について」リーフレット(PDF)
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【コラム】「1歳になったらもう預けて働けるでしょ?」と言われる社会で、私たちは何と戦っているのか
