【コラム】「突発的な休みは悪? 生理休暇が教えてくれる働き方の課題」

毎月の生理で仕事を休む。
その日にならなければ、就業が可能かどうか分からない人がほとんどです。
痛みや吐き気で働けないのに、前もって申請していなかったからと休みを拒否されることもあります。

たとえ休めても、周囲の目は冷たく、謝罪を強いられます。
「また休むの?」「周りに迷惑をかけている」そんな空気が職場にあり、休むたびに「使えない人」扱いされていく。
この状況は本当に正しいのでしょうか?

■体調は毎日同じじゃない。なのに働き方は「安定」を前提に作られている

現代の働き方モデルは、体調が毎日安定していることを前提にしています。
つまり、毎朝同じ時間に出勤できて、突発的な欠勤はなく、フルパフォーマンスで働くことが普通だとされているのです。

しかし、そのモデルは多くの場合、コンスタントに体調の良い「健康な男性単身者」を想定しています。
生理のある人、妊娠中や子育て中の人、家族の介護が必要な人の現実には、まったくフィットしていません。
これらの人たちは「波のある体調」で働かざるをえず、そのために「例外扱い」「迷惑がられる人」とされてしまうのです。

■生理のたびに「頭を下げる」構造が職場を苦しめる

生理は毎月訪れるものであり、症状が重い人は寝込むことも少なくありません。
それにも関わらず、休むたびに謝罪し、気を遣い、職場の評価が下がっていく。
こうした状況は本人の努力不足や自己管理の問題ではなく、社会の仕組みの問題と考えるべきです。

休むのは「迷惑」ではなく、「必要な自己管理」であり、
そうした波のある現実に対応できない働き方や制度こそが問題なのです。

■突発的な休みを認めない職場設計は誰のため?

「急に休むと周囲に迷惑がかかる」「休んだ分は頭を下げるべき」という空気は、体調に波のある人の存在を前提にしていないから生まれます。
働く人は毎日安定しているはず、という誤った前提に基づいて、制度も人事評価も組まれているからです。

本当に必要なのは、
「体調の波があっても持ち場に居続けられる働き方」
「休むことが損失ではなく想定内となっている仕組み」

そういう柔軟な職場体制の整備です。

■誰の「普通」で社会はできているのか、問い直す時代へ

今の働き方の「普通」は、歴史的に形成された男性中心の社会モデルにすぎません。
生理のある人も、ない人も、体調の波がある人も安定している人も、みんなが安心して働ける職場を作るためには、
「体調が毎日一定であることを前提とした働き方モデル」を見直し、変えていくことが不可欠です。

生理休暇の現実を通じて見えてくるのは、
「突発的な体調不良を許容しない社会構造の問題」
そして、「多様な体調に寄り添う働き方を設計することの重要性」です。

これらを踏まえて、私たちは働き方を見直し、誰もが無理なく働き続けられる社会づくりに取り組む必要があります。

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